「ピンク髪」のキャラの髪は本当は何色なのか?問題

この辺↓の話がなかなかに興味深い。 

togetter.com

 

 

前提として、

現代日本が舞台

・特殊な設定のない日本人キャラ

・ファンタジー設定がない

・ギャグ要素ではない

・そのキャラは(現代日本を基準として)ピンク色に髪を染めるような性格ではないし、周囲の人間もその髪色を特別視する描写がない

とする。

 

そうすると、ピンク色の髪に見えるキャラ*1については、たしかに、

①真実は黒髪や茶髪であるが、表現手法としてピンク色の髪で表現されている

②その作品の「日本」では地毛としてピンク色の髪を持つ日本人が存在する

のいずれかであるのが自然に思える。*2

 

冒頭のtogetterの内容は、①と思っていたら、「ピンク髪」への言及があったので、もしかして②やその他の場合なの?という戸惑いである。

 

この点については、「ピンク色のカラーリングが表現手法であって真実を表していない」のであれば、「『ピンク髪』というセリフもまた表現手法であって真実を表していない」(「実際」には「ピンク」とは言っていない)という可能性がある。

(すでにブコメでも同様の指摘が複数ある。)

 

また、①の考えにも若干の疑問がある。

ピンク色として描かれたものがピンク色でないとすると、何を信じれば良いのだろうか。

我々が見ているものは、洞窟の影に過ぎなかったのだろうか。

別の言い方をすれば、「表現手法であって真実の姿を描いていない部分」と「真実を描いている部分」はどうやって見分けるのだろうか。

セリフや性別、年齢すらも表現手法にすぎず、真実は全く異なる物語が展開しているのかもしれない。

将棋の棋譜が実際には情事を表すことがあるように。*3

 

また、仮に表現手法によって真実と異なる姿が描からているのであれば、表現手法を取り除くことで、「原作よりも真実に近い絵」を書くことが可能になるはずである。*4

それも何か不思議な気がする。

 

コメントで挙げられている目の大きさやクリリンの鼻*5も似たような問題である。

もっとも、これらは、デフォルメとして理解できるような気がする。

一方、ピンク色の髪がデフォルメというのは何か違和感がある。

両者がどう違うんだ、と言われるとなかなか難しい。

強いて言えば、巨大な眼の人間は実在困難なのに対し、ピンク髪は染めることで容易に現実に存在してしまうところだろうか。

「性格等もコミで考えれば、そのキャラがピンク髪であることは困難である」と考えれば、ピンク髪も大きな眼と同様に考えられるかもしれない。

 

追記:

結局は鑑賞や解釈における態度の問題とも言えて、それは個々の自由でしかない。

ただ、作者の意図や他の多くの鑑賞者と全く違うものを見ている可能性があるというのは、恐ろしくもあり、面白くもある。

  

おわり

*1:ツイートでは、ラノベ、アニメ、マンガとされているが、とりあえずアニメ・マンガを念頭に置く

*2:その作品の「日本」ではピンク色に髪を染めることの位置付けが現実の日本とは異なることなども考えられる

*3:将棋のルールはわからないけど、詰め将棋で抜ける人を尊敬する

ところで、上記の話はいまいちソースが見つからない。

「娼妓絹籭」がその作品だろうか。

同作品がおそらくそうであるように、隠喩だという説明は可能かもしれない。

*4:ネタではあるが、リアルアンパンマンなどはそれに近いだろうか。

*5:「鼻がないじゃないか」以前